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26.天の川 続々 SPサイヤ人? [日月記録 ~これまでの話。]

真冬の空の下、私とサクは人目も寒さも忘れてしばらくそのまま言葉を交わしていた。

どんな会話だったのかは、今となっては余り覚えていないのだが、
とにかくサクは私を絶えず明るく笑わせた。恋人というより、まるで古くからの親友のように。

口下手な私が、何かを言葉に変換するよりも前に、サクは
その内容をいち早く覚るかのように口にした。
まるで、心のうちを見透かされてるようだったが、少しも悪い気がしなかった。
むしろ、打てば響くような互いのやりとりが、とても心地よかった。

不思議なことに、サクと一言交わしたその瞬間から、私の心から
それまでの不安や心配はことごとく吹き飛んでいたのだ。

いろいろ聞きたかったことはあったが、すべてがどうでもよく思えた。
他の誰がどう云おうと、サクは危険でもないし、狂っているわけでもない。

なぜか、どんなに暴走したとしても、サクの言動は全部自分の手の内にあるかのような、
すべてを笑って包み込めるような、そんな揺ぎ無い安心感がそこには生まれていた。

私の前のサクは、無邪気で饒舌な、面白い少年のようだった。


- やがて、夜も更けたので、私とサクは、次の日の朝8時に
もう一度同じ場所で会う約束をした。

聞くと、ポケットの小銭もほとんど残っていなかったサク。
せめて何か飲み食いするようにと少しお金を渡し、
自宅に連絡してママたちを安心させることを指きりして、その夜は別れた。

サクは、今も昔もそうだが、自分から何かを要求することは一切しない。
すべての状況を、訪れるがまま、楽しんでいる感じだ。
だから、周りが心配するほどには、本人はなんの問題も感じていなかったりする状況が
果てしなく多いのだ。
・・ただし、ほっておくと、そのまま勝手に和やかに昇天してしまいそうだから困る。


ちなみに、後々自分が体験してマザマザと思い知るのだが、極寒の夜を一晩、
車内で明かすのは地獄である。
エンジンを切って数時間もすると冷蔵庫の出来上がりだ。
そういう現実を、そのときの私もサクもいまいち懸念していない状況だった。
サクがそうしたいと云い、私も、それならば、とあっさりそれを受けた。


私も、正直、一般人とちょっと感覚がずれていたり、元々宇宙人と呼ばれたりする部分が
よくよくあったりしたが、そのときのサクはそんな比ではなかった。
まさに、スーパーサイヤ人、無敵の意識状態、である。
人間として、どこまで心配していいのか、もうこうなったらわからない。
四文字熟語で表すなら、
自由奔放、傍若無人、天真爛漫、天下無敵、唯我独尊・・・否、どれもしっくりこない。
・・無茶苦茶。これだ。これしかない。


心配って、一体どこまですればいいんだったっけ?
・・・・・こんな変な疑問まで沸いてくる。


サクと出会ってからは、
私の脳裏から常識という文字が音を立てて崩れていく、そんな瞬間の連続だ。


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