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大怪盗サク。 [ふたりのヒトトナリ。]

このへんで、サクという人物像について、
できるだけひいき目でなく、生の姿を記録しておきたい。

ひつこいようだが、おとぎ話のような無垢の王子様を想像してはいけない。

彼を一言で例えるなら-、そう、それは「どうしようもない人」 である。

物心ついたときから、生粋のワル、盗っ人だった。

思春期の子供の問題に頭を抱えるお母さんに、多少の救いを与えるかもしれないので、
彼の華々しい、そして毒々しい10代の頃の様子を、ここに記しておこうと思う。

過去に遡ること、20数年・・・
3歳の頃から近所の駄菓子屋で盗みを始めて以来、サクは
「すべての店のものはオレ様のもの。」
という大胆不敵な世界観の中で生きていた。

成人するまでに、盗んだ総額1000万円以上。(すでに時効とかいう問題ではない)
小学3年生の頃には、すでに警察のお世話になっていた。
(記念すべき初めて捕まった日が、10月10日だったと発覚した。どうでもいい。)
しかも、主犯がサク、他友達3人と遊び半分で、放課後の職員室に盗みに入り、
5万円ほどかすめた後で、非常センサーに引っかかったのが運の尽き。
初めての厳しい警察の事情聴取にも、面白半分に嘘ばかりついて、毎日8時間、
一週間ほど拘束されてたとか。(当時7歳・・・)
あげく、退屈さのあまり聴取の最中に警官の目を盗んで、取調べ机の側面、
さらには引き出しの中まで、めいっぱいマジックで落書きして帰ったらしい。
日々、あまりにもサクの話す内容がコロコロ変わるので、
(本人は完全にふざけいてたからしょうがない)
警察が混乱し、聴取の用紙がサクだけ電話帳のような厚さになったという。

それからも、反省の色もなくエスカレートし、万引き、スリ、置き引き、
車上荒らしはお手のもの。
近所のスーパーには「怪盗キャット」(安易すぎるだろ)と称し、
電話で万引き予告をしてから盗みに入るほどのプロ。ルパンか。とにかくひどい。
しかも当然のようにほぼ100%成功させる。

テストはもちろん常に白紙。定期テスト中は至福の安眠タイムにしか思えない。
学校は行くが授業なんてもちろん聴いたこともない。
(ところで、いまだ、英語のアルファベットも書けないのに、
英検3級を持ってるのはどういうことだ。カンニング3級の間違い。)

その辺の窓ガラスも、残らずエアーガンでガンガン割る。教員の車も毎日パンクさせる。
それでもたまにいる熱血な教師たちが、愛情を持って話し合おうと職員室に呼び出せば、
懐からにこにこ笑顔でナイフを出す。などなど・・

学校の伝説になるほど、先生も手をやいていた。訊いてると彼らが本当に可愛そうになる。

けれど、サクにとっては全部暇つぶしの楽しい遊びだったというから呆れ果てる。
悪気もないから余計厄介。暴力や喧嘩沙汰は一切なく、性格が優しく友達受けもいい。
大人に対しても攻撃的でも反抗的でもないため、先生もどう更生させればいいか
わからなかったらしい。
ついでにいうと、サクのお父さんは地元の役員だったため、警察官も友人だったりする。
(盗みの後も、金銭以外の母子手帳や免許証、貴重品らしきものだけは
もとに戻しておいたり、こっそり届けに行くというから、余計意味がわからない。)

中学生の頃には、すでに隠し持っていた所持金〇百万円、が当たり前だったという。

奇跡的に入学できた高校でも、幾多の伝説をこさえた。

もちろん当時の友達との遊びも、もっぱらナンパと盗み、バイクや悪戯ばかり。
地元のホテルは知り尽くし(おい)、タバコに酒にシンナーはもちろん
無免許で大型改造バイクを乗り回し(こら)、福島~東京間をシンナー買いに大暴走。
お金がなければ、ガソリンまで盗む。たばこもカートンごと、お酒も箱ごと、盗む。
笑顔で爽やかに、レジから、ゲームを、盗む。
最終的にはヤクザの家にまで、盗みに入ってしまうから大変である。
(こてんぱんにやられたらしいが。)

・・ここまで書いても、それはサクの黒歴史の中のまだほんの一部の、
さらにその一片にすぎないのは云うまでもない。
いまだに時々、思い出したように話してくれるエピソードがまだまだあるが
どれも酷すぎて、放送禁止の域、ここでは語れないものも多々ある。
(訊ける人はいつか本人から聞いてください。)
それこそ連載漫画がかけそうな活躍っぷりだ。

そうして、愉快な仲間たちと共に、花の高校生活も終盤を迎える頃-、
目の覚めるようなピンクのモヒカンを教員にひつこく注意されたサクは、
最終的に眉毛までないスキンヘッドになり、とうとう卒業3日前に退学を言い渡される。
・・とはいえ卒業式にはバイクで乱入。先生真っ青。お母さんは号泣、半ば気絶。

ちなみに、彼が十代の頃、キラキラと純粋に掲げた夢、
それは、「大泥棒」であった。もちろん本気である。
(続く20代は、パチスロで焼肉三昧、大もうけの日々となったらしいが。)

・・・そんな彼だから、退学後も、お金に困ることもなく、
仕事もする気にならなかったらしい。
(時給800円程度で、身体を壊すほどに躍起になって仕事をしていた頃の私を思うと、
ちょっとわかる気がするが・・)
とにかく、ふざけっぷりもここまで行くと、もう、感心する。


そんな彼が・・・、
30を過ぎてようやく今、寝る間もないほど一日中まじめに働いている。

あんなに乗り回していた大好きなバイクもない、車もない。
札束を湯水のように使っていた頃が嘘のように、コツコツ地味に生きている。

しかも、誰もが忌み嫌う、きつくて理不尽な業種を、ほぼ休むこともなく
愚痴もいわず、2年半続けているから不思議だ。

彼は苦笑いしながら云う。
「姉ちゃんが言ってたとおりだ。
今まで、一生分遊んだから、あとは働くことになるらしい。」と。

人生 何が起こるかわからない。

何が、人間にとって肥やしとなるかなんて、誰にもわからない。

百の説教より、出逢いひとつが人生を根底から変えたりするのだから。

だからだろうか、私の教え子に、「問題児」はいない。
否、「問題児」というレッテルを貼られた子、
教師たちに手の負えない「落ちこぼれ」と呼ばれた生徒はたくさんいても、
私の目にそのようには映らないだけだ。

サクの存在やその過去が、いつのまにか私自身の価値観にも投影されたのか、
十代の子供たちへの新しい見方を、与えてくれているような気がする。



・・・とにかく人間って、おもしろいよね。



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そして、思い出と共に、やっぱり音を載せよう。

サクの一番やんちゃな青春時代、好きだったアーティストはイエローモンキー。
名前が漢字まで同じだったのがきっかけで、妙な親近感が沸いたとか。
サクが云うには、
「名前は魂がしょってるもんだから。似た空気を感じるんだよ。」。
なるほど。
どんな形に名づけられたとしても、名前にはその魂が背負うエネルギーみたい
なものが自然に顕れると。
たしかに、特別心惹かれる人物って、なぜか自分の名前と縁があったりする。
私とサクの苗字が同じだったり。父と、サクの名前がとても似ていたり。
(実は私とサクの本名も、漢字で示すと、まるで謎解きみたいに
それぞれの名前が見事に組み込まれていたりして、ふしぎで面白い。そしてちょっと感動する。)

そう思うと、イエモンのこの陰のある危険なムードが、
出逢った当時のサクが持つ、不敵な独特の雰囲気となんとなーく重なって、
興味のなかった私も、いつの間にかこのアーティストを好きになっていた。

サクといえば、太陽と海。
お気に入りの中からこの曲、「聖なる海とサンシャイン」を。

車の中で生活していたとき、景気づけに二人で歌った歌。
ちょうど、ひとつの縁にピリオドを打ったばかりの、あの方へ。

「人が 海に 戻ろうと流すのが涙なら 抑えようないね
それじゃ 何を 信じあおうか」




さらに、私が好きな歌のひとつ。「BRILLIANT WORLD 」

「 何十年 何百年 何千年 何万年
何億年 何光年 何秒間
君といれるだろうか  明るい暗闇で・・」歌詞がいいね♪





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