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3月9日。 [一二三伝文~今日の風音。]

この先も 隣で そっと微笑んで
瞳を閉じれば あなたが まぶたのうらに いることで
どれほど強くなれたでしょう
あなたにとって私も そうでありたい

(レミオロメン「3月9日」)


kana.jpg


3月9日

それは あなたが生まれた日


I-PATHのシューズ
remillaのTシャツとカーキ色のチノパンツ

密かに貯めてきたお金で
サクに買った誕生日プレゼント

いつもボロボロに破けた靴と
おんなじジーパンばかり 
何一つ 文句も言わず 
当然のように過ごしてる彼に と

サクの大好きなブランドばかり

驚かせたくて
10日前から こっそり 押入れに隠してた

けれど 

なんてドジな私

彼が 身に着けてみれば
シューズも パンツも ワンサイズ小さくて
大柄な 彼には 窮屈すぎた

準備したのが 早すぎたせいで
返品も 交換も もう きかない

苦笑いしながら チノパンのジッパーをあけたまま
おどけてみせる彼

その姿がおかしくて 笑いながらも いつのまにか涙目になる私

今日は二人で過ごす最後の誕生日だった

「せっかく 最高の誕生日にしたかったのに
一番喜ぶものをあげたかったのに
なんでこうなっちゃうんだろう・・」
悔しくて がっかりして 苦い想いがこみ上げる

サクはきょとんとした顔でいった

「どうして?最高の誕生日だよ。」

納得しない私

「でも、履けないし、着れないんじゃ意味がない。
ごめん、いつも、私、こんなんばっか・・」

「ひな、あのね、これを着れる方法があるんだよ。
わかるだろ?
オレがダイエットすればいいんだ。よし、決めた。」

パツンパツンのチノパン

ジッパーを上げたり下げたりしながら
陽気に笑うサク

そんな優しさにますます涙目になる私

なんだかみじめな気持ちになって
顔を見せないように そむけて横になって目をつぶる

「そんなの、変だよ・・」

勘のいいサク
すぐに覚って手を伸ばし
丸くなってる私をひきよせ
強く抱きしめる

「ありがとう。ありがとうね。
オレはすっごく嬉しいんだよ。
そんなおっちょこちょいなひなだからいいんだよ。」

サクは 抱きしめたまま
なんども なんども
「ありがとう ありがとう」
をつぶやいた

私は 
「ごめんね ごめんね」
をつぶやきながら
あったかい腕の安心感で 
涙目のまま 静かに 眠りに落ちていた



ごめんね サク
ありがとう サク

あなたの誕生日なのに 

今日も 私は あなたから もらってる

優しさ ぬくもり
愛情 思いやり 


やっぱり 私

かなわない な



流れる季節の真ん中で
ふと日の長さを感じます
せわしく過ぎる日々の中に
私とあなたで夢を描く

3月の風に想いをのせて
桜のつぼみは春へとつづきます

溢れ出す光の粒が
少しずつ朝を暖めます
大きなあくびをした後に
少し照れてるあなたの横で

新たな世界の入り口に立ち
気づいたことは1人じゃないってこと

瞳を閉じれば あなたが
まぶたのうらに いることで
どれほど強くなれたでしょう
あなたにとって私も そうでありたい

砂ぼこり運ぶ つむじ風
洗濯物に 絡まりますが
昼前の空の白い月は
何だかきれいで 見とれました

上手くはいかぬこともあるけれど
天を仰げば それさえ小さくて

青い空は凛と澄んで
羊雲は静かに揺れる
花咲くを待つ喜びを
分かち合えるのであれば それは幸せ

この先も 隣で そっと微笑んで
瞳を閉じれば あなたが
まぶたのうらに いることで
どれほど強くなれたでしょう
あなたにとって私も そうでありたい



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